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カッコーの巣の上で
One flew over the cuckoo's nest
監督 ミロシュ・フォアマン
脚本 ローレンス・ホーベン
ボー・ゴールドマン
製作 ソウル・ゼインツ
マイケル・ダグラス
出演者 ジャック・ニコルソン
音楽 ジャック・ニッチェ
編集 シェルドン・カーン
リンジー・クリングマン
リチャード・チョウ
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 アメリカ合衆国の旗 1975年11月19日
日本の旗 1976年4月3日
上映時間 133分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $4,400,000
興行収入 $112,000,000 アメリカ合衆国の旗
  

カッコーの巣の上で』(カッコーのすのうえで、One Flew Over the Cuckoo's Nest)は、1975年アメリカ映画。日本での公開は1976年4月。原作は1962年に発表されたケン・キージーのベストセラー小説。精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ち取ろうと試みるという物語である。映画化に至るまでに監督は非常に苦難の道のりを辿ったと言われる。

いわゆるアメリカン・ニューシネマの代表作の一つで、アメリカでは興行収入1億ドルを超える大ヒットになった。1998年にアメリカ映画協会が選んだ「ハリウッドの名作」の一つにリストアップされている。

作品[]

原作はケン・キージー、邦訳が 『カッコーの巣の上で』 という題で冨山房から出ている。邦題は当初「郭公の巣」であったが、後に映画のタイトルに合わせて改題された。なお、原作での主人公はチーフであり、彼の視点から物語は描かれている。

本作に登場する精神病院では、ガラスに囲まれたナースステーションが病棟の中心に設けられ、患者を常時観察して記録できるようになっている。このような設計は、ジェレミ・ベンサムが考案した一望監視システムパノプティコンのもととなった、17世紀のヨーロッパで行われたペスト患者の管理システムに通じるものである。このほかにも、本作の精神病院において患者を支配するためのシステムの多くは、ミシェル・フーコーの著作『監獄の誕生』での構図にあてはまる。[1]

スタッフ[]

  • 監督:ミロシュ・フォアマン

キャスト[]

  • ジャック・ニコルソン - ランドル・パトリック・マクマーフィー
  • ルイーズ・フレッチャー - 看護婦長ラチェッド
  • マイケル・ベリーマン - エリス
  • ウィリアム・レッドフィールド - ハーディング
  • ブラッド・ドゥーリフ - ビリー・ビビット
  • クリストファー・ロイド - テイバー
  • ダニー・デヴィート - マティーニ
  • ヴィンセント・スキャヴェリ - フレドリクソン
  • スキャットマン・クローザース - タークル
  • シドニー・ラシック - チャーリー・チェズウィック
  • ウィル・サンプソン - チーフ・ブロムデン

テンプレート:ネタバレ

あらすじ[]

主人公のマクマーフィーは刑務所から逃れるために精神病院に(詐病によって)入院してきた。向精神薬を飲んだふりをしてごまかし、婦長の定めた病棟のルールに片っ端から反抗していく。グループセラピーなどやめてテレビでワールドシリーズを観たいと主張し、他の患者たちに多数決を取ったりなどする。

また他の患者と無断で外出し船に乗せて、マクマーフィーの女友達と共に海へ釣りへ行く。こうした反抗的な行動が管理主義的な婦長の逆鱗に触れ、彼女はマクマーフィーが病院から出ることができないようにしてしまう。

マクマーフィーは電気けいれん療法を受けさせられた際、一緒に待っていたチーフが実際はしゃべれないフリをしていることに気づき、一緒に病院から脱出しようと約束する。

クリスマスの夜、マクマーフィーは病棟に女友達を連れ込み、酒を持ち込んでどんちゃん騒ぎをやる。騒ぎに乗じてチーフと共に逃げ出すつもりだったのだが寝過ごしてしまう。翌朝、乱痴気騒ぎが発覚し、そのことで婦長から激しく糾弾される。そのショックで(マクマーフィーにかわいがられていた)ビリーが自殺してしまう。マクマーフィーは激昂し、彼女を絞殺しようとする。婦長を絞殺しようとしたマクマーフィーは他の入院患者と隔離される。

戻ってきたマクマーフィーは、病院が行った治療(ロボトミー)によって、もはや言葉もしゃべれず、正常な思考もできない廃人のような姿になっていた。

ネイティブアメリカンである患者の“チーフ”はマクマーフィーを窒息死させ、「持ち上げた者には奇跡が起きる」とマクマーフィーが言った水飲み台を持ち上げて窓を破り、精神病院を脱走していくところで映画は終わる。 テンプレート:ネタバレ終了

タイトルとストーリーの由来[]

いずれの邦題も一読して意味を理解することは難しいが、原題は最後にチーフという名の患者が一人 (One) で自由を求めて、cuckoo=crazy、つまり精神病を患う人の集まる精神病院 (the cuckoo's nest) から飛び出して脱出する (flew over) ことを象徴しており、もともとの由来はマザー・グースの詩である。

Vintery, mintery, cutery, corn,
Apple seed and apple thorn;
Wire, briar, limber lock,
Three geese in a flock.
One flew east,
And one flew west,
And one flew over the cuckoo's nest.

またカッコーの巣(cuckoo's nest)は、「精神病院」の蔑称のひとつである[2]

主人公は本当に詐病なのか[]

刑事裁判での精神鑑定を手がける事の多い精神科医小田晋は、主人公に明らかに虚偽性障害反社会性人格障害間欠性爆発障害の兆候が見られると言う[3]

現実の精神病院でも、精神鑑定で責任能力なしとされた被疑者には「自分では精神障害者のふりをしてやったと思っているが、実際に人格障害などの兆候が見られる」事がままある。

ただし、それらの指摘や事例は、原作及び映画の内容や製作者の製作意図とは無関係である。

受賞[]

  • 第48回アカデミー賞

作品賞監督賞主演男優賞主演女優賞脚色賞と主要5部門を独占した。ちなみに、これら主要5部門の獲得は1934年に受賞した「或る夜の出来事」以来、実に41年ぶりの快挙であった。

受賞 人物
作品賞 ソウル・ゼインツ
マイケル・ダグラス
監督賞 ミロシュ・フォアマン
主演男優賞 ジャック・ニコルソン
主演女優賞 ルイーズ・フレッチャー
脚色賞 ローレンス・ホーベン
ボー・ゴールドマン
ノミネート
助演男優賞 ブラッド・ドゥーリフ
撮影賞 ハスケル・ウェクスラー
ビル・バトラー
編集賞 シェルドン・カーン
リンジー・クリングマン
リチャード・チョウ
作曲賞 ジャック・ニッチェ

脚注[]

  1. 難波江和英内田樹 『現代思想のパフォーマンス』 光文社、2004年、205-211頁。ISBN 978-4334032777
  2. 『現代思想のパフォーマンス』196頁。
  3. 小田晋 「鼠が猫に食いついた───病棟内のリーダーシップと暴力───」『Imago』 1990年5月号、青土社

テンプレート:アカデミー賞作品賞 1961-1980 テンプレート:ミロス・フォアマン監督作品

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