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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 | |
---|---|
Star Wars Episode IV: A New Hope | |
監督 | ジョージ・ルーカス |
脚本 | ジョージ・ルーカス |
製作 |
ゲイリー・カーツ (特別編:リック・マッカラム) |
製作総指揮 | ジョージ・ルーカス |
出演者 |
マーク・ハミル ハリソン・フォード キャリー・フィッシャー アレック・ギネス ピーター・カッシング |
音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
編集 |
ポール・ハーシュ マーシア・ルーカス リチャード・チュー |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 |
オリジナル版 特別篇 |
上映時間 |
121分 126分 (特別篇) |
製作国 |
|
言語 | 英語 |
製作費 | $11,000,000[1] |
興行収入 | $775,398,007[1] |
次作 | エピソード5/帝国の逆襲 |
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(スターウォーズ エピソードフォー あらたなるきぼう、Star Wars Episode IV: A New Hope)は、1977年のアメリカ映画。SF映画。
アメリカ国内のみでの総合興行収入は歴代2位(最高興行収入映画の一覧参照)。1989年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。
概要[]
シリーズ第1作。当初のタイトルは『スター・ウォーズ』のみだった。「エピソード4/新たなる希望」というのは「大河ドラマの一部」という前提で製作されたための便宜上の副題であったが、シリーズ化に成功したため各作品を区別するために、特にリバイバル公開時からこのサブタイトルがクレジットされるようになった。1997年には最新CG技術などを使ってシーンの差し替えなどが施された『スター・ウォーズ 特別篇』が公開された。現在発売されているDVDは、さらに変更が加えられている。
全シリーズが映像化された現在ではこのエピソード4がスピンオフを含めてスターウォーズサーガを語る上での中心となっている。
この作品が製作された1970年代中盤のアメリカ映画は、ベトナム戦争終結等の社会風潮を受け、内省的なアメリカン・ニューシネマが代表であった。ベトナム戦争以前の「古きよきアメリカ」を描いた『アメリカン・グラフィティ』で一定の成功をおさめた[2]ジョージ・ルーカスは、かつてのアメリカ娯楽映画の復権を意図し、古典コミック『フラッシュ・ゴードン』の映画化を企画する。が、様々な問題が絡みこの企画の実現が不可能となり、その設定を取り入れて自ら『スター・ウォーズ』の脚本を執筆した。そのため、一般的にはSF映画というジャンルに分類されている本作であるが、内容は正に娯楽映画の見本市であり、戦争映画をはじめ、西部劇、海賊映画、ラブロマンス、ヒューマン、ミュージカル、果ては日本時代劇の要素まで盛り込まれている。
製作にゴーサインが出たとはいえ極端に予算が少なく、ルーカス本人が忙しさの余り入院したほどであった。このため、撮影終了後ルーカスはアラバマ州で『未知との遭遇』を撮影していた友人のスティーブン・スピルバーグを訪ね、「もう大作はこりごりだ」と言っていたという(その後ルーカスは、『スター・ウォーズ』シリーズ全6作や『インディ・ジョーンズ』シリーズなどの大作を次々と手がける事になる)。
その上、アメリカの各映画館は当時このような子供やマニア向けとしか考えられないSF映画を上映する事を渋り、配給会社である20世紀フォックスも他の映画作品との抱き合わせる形で売り込みを行わざるを得なかった。そのためルーカス本人は完全に自信を失い、公開当日にはハワイ旅行に出かけ、電話もテレビもない別荘にこもってしまった。
結果として、良質な娯楽映画とポジティブなストーリーに飢えていた大衆は「スター・ウォーズ」に熱狂し、そのヒットは世界的な社会現象となった。それまでの興行収入も一挙に塗り変え、B級映画という扱いだったSF映画に対する評価を一挙に引き上げるまでになる。この事を伝えるためスピルバーグはルーカスがこもっているハワイの別荘へ行き、そこでインディ・ジョーンズの構想が生まれたといわれる。なお、本作をもってルーカスは監督業からは一時期離れることになる。
製作にあたっては黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』を元にしたとも言われる[3]。特に物語のキーパーソンとなるC-3PO、R2-D2という2体のドロイドのモデルは『隠し砦の三悪人』に登場した戦国時代の2人の百姓、太平(千秋実)と又七(藤原釜足)であると、ルーカス自身が認めており、同じく姫から褒美をもらうというラストシーンも双方の作品に見受けられる。作品に登場する「ジェダイ騎士」は時代劇の「時代」という言葉から転じたものといわれていたがルーカス自身はこれを否定しているテンプレート:要出典。ルーカスが監督を担当しなかった第二作、第三作で、俳優たちがフェンシングのような立ち回りをすると、それを知ったルーカスはそれを激しく否定したというテンプレート:要出典。中盤にデススター内でハン・ソロの船の床に隠れるというシーンは「椿三十郎」の若侍を三十郎が隠すシーンに見受けられる。 オビ=ワン・ケノービ役(もしくはダース・ベイダー役)で三船敏郎に出演依頼があった[4]。
受賞[]
- 第50回アカデミー賞
受賞 | 人物 | |
編集賞 | リチャード・チョウ ポール・ハーシュ マーシア・ルーカス | |
美術賞 | ジョナサン・バリー ノーマン・レイノルド レスリー・ディリー ロジャー・クリスティアン | |
衣装デザイン賞 | ジョン・モロ | |
作曲賞 | ジョン・ウィリアムズ | |
録音賞 | レイ・ウエスト デレク・ボール ドン・マクドゥーガル ボブ・ミンカー | |
視覚効果賞 | リチャード・エドランド ジョン・スティアーズ ジョン・ダイクストラ ロバート・ブララック グラント・マックーン | |
ノミネート | ||
作品賞 | ゲイリー・カーツ | |
監督賞 | ジョージ・ルーカス | |
助演男優賞 | アレック・ギネス | |
脚本賞 | ジョージ・ルーカス |
- サターンSF映画賞
ストーリー[]
テンプレート:ネタバレ 遠い昔、遥か彼方の銀河系で…
ジェダイ騎士が滅亡して久しい時代、かつて平和だった銀河系は銀河帝国による圧政下にあった。そんな中、反乱同盟軍のスパイが帝国の誇る最終兵器であり宇宙要塞であるデス・スターの極秘設計図を盗み出す事に成功した。銀河帝国皇帝パルパティーンが最も信頼を置くダース・ベイダー卿は設計図奪還と同盟軍本拠地の早期発見を命じられる。
帝国軍の戦艦に襲われた反乱同盟軍の宇宙船の中には反乱同盟軍の指導者の一人レイア・オーガナ姫がいた。レイアは養父の友人のオビ=ワン・ケノービに助けを求めるべくドロイドR2-D2に救援メッセージとデス・スターの設計図を託し、R2-D2は相棒のC-3POと共に船から脱出する事に成功する。
R2と3POは砂漠の惑星タトゥイーンに漂着する。その後原住生物ジャワに捕まえられバザーに出され、2体はオーウェン、ベルーのラーズ夫妻と甥の農場手伝いの青年ルーク・スカイウォーカーに購入された。ルークによって整備されたR2はふとした拍子にレイアのメッセージを再生してしまう。R2は夜中にラーズ家を抜け出し単身でオビ=ワンにそのメッセージを届けようとするが、後を追ったルークらと共にタスケン・レイダーの襲撃に遭い、突然現れた老人ベン・ケノービに助けられる。
ベンはジェダイの騎士オビ=ワン・ケノービだった。ベンはルークらを自宅へ招くとルークに彼の父アナキンのライトセーバーを渡し、自身とアナキンの過去を話す。そしてレイアのメッセージを受けてルークと共に彼女の故郷の惑星オルデランへ行く事を希望するが、ルークは叔父が許してくれないと断り、ベンをアンカーヘッドの街まで送ろうとする。その途中ルークらはドロイドを売ったジャワ達が帝国軍に襲撃された現場を見てラーズ家の危機を察知し、ラーズ家へ駆け戻るが、既にオーウェンとベルーは帝国軍に殺害され、農場は焼き払われていた。一人になったルークにはもはやこの惑星に留まる理由はなくなり、父のようにジェダイの騎士になる事を誓って、ベンとオルデランへ行く事を決意する。
一行はモス・アイズリー宇宙港でパイロットのハン・ソロとチューバッカを雇い、彼らの宇宙船ミレニアム・ファルコンで帝国軍の追跡を振り切ってオルデランへ向かう。一方レイアはグランド・モフ・ウィルハフ・ターキンに故郷のオルデランを破壊すると脅されて、やむなく既に放棄された反乱軍の基地の所在を教えるが、ターキンは見せしめとしてオルデランをデススターの究極兵器・スーパーレーザーによって破壊してしまう。その瞬間、ファルコン号内でルークにフォースを教えていたベンはフォースに異常な乱れが起きた事を感じた。ファルコン号がオルデランに到着すると既にオルデランは星屑と化しており、トラクター・ビームによってファルコン号はデス・スターに拿捕されてしまう。
ルークたちはファルコン号の二重床を使ってストーム・トルーパーの装甲服を奪って変装し、管制室へ逃れる。R2にデス・スターのコンピュ-ターから情報を引き出させ、トラクター・ビームは複数の電源のうち1つを切るだけで停止することを知ると、ベンは一人で電源を切りに向かった。その後、R2の解析によりレイアがここに監禁されている事が分かり、ルークはハンとチューバッカを説得し救出に向かう。帝国軍の猛追を受けながらも三人はレイアの救出に成功、ファルコン号へと急ぐ。トラクタービームの電源を切り終えてきたベンは、ファルコン号の目前でベイダーと再会、剣を交える。ファルコン号へ乗り込もうとするルーク達を見たベンは突然戦いを放棄。ベイダーのライトセイバーがベンのローブを切り払うが、そこにベンの死体はなかった。
TIEファイターの追撃を振り切り、ファルコン号はレイア姫の案内で反乱同盟軍の基地のあるヤヴィンの第4衛星へたどり着く。その後デス・スターの設計図からは、反応炉の排熱口は地表に直結しておりそこにプロトン魚雷を撃ち込めば破壊できるとのデータが得られ、直ちにデス・スター攻撃計画が立てられる。その頃、ファルコン号に追跡装置を仕掛けておいた帝国軍はヤヴィン4に反乱軍の基地があることを突き止め、デス・スターをもってヤヴィン4を破壊せんとする。スクランブルする反乱軍の戦闘機隊。パイロットとして出撃するルークに、ベンの声が語りかける…
スタッフ[]
- 監督・脚本・製作総指揮:ジョージ・ルーカス
- 製作:ゲイリー・カーツ(特別篇:リック・マッカラム)
- 撮影:ギルバート・テイラー
- 編集:ポール・ハーシュ、マーシア・ルーカス、リチャード・チュー
- 音楽:ジョン・ウィリアムズ
- 美術:ジョン・バリー
- 効果音:ベン・バート
- SFX:ジョン・ダイクストラ、リチャード・エドランド、フィル・ティペット、ジョン・スティアーズ、ILM
- 本作品の製作をきっかけにジョン・ダイクストラにより開発されたDykstraflex(コンピュータによるモーション・コントロールカメラのシステム。「ダイクストラ・カメラ」とも呼ばれた)はその後の特撮映画に大きな影響を与える。使用料(同様の撮影システム開発に支払いが見込まれる特許使用料、またはILMからの同システムのレンタル料)の高額さに二の足を踏み、導入・活用が遅れた特撮邦画は特撮CG技術の確立・台頭の時代まで、人工臨場感演出技術で大きく水を空けられることとなる。
- 製作:20世紀フォックス / ルーカスフィルム・リミテッド
- 特殊メイク:スチュアート・フリーボーン、ダグ・ベズウィック、リック・ベイカー
- 日本語字幕:岡枝慎二(初公開時)、林完治(特別篇)
- 吹替翻訳:宇津木道子(初公開時)、岡田荘平(ビデオ版・特別篇)
- ※吹替え版では戦争映画、アクション、SFのジャンルを多く手がける平田勝茂の翻訳版がエピソード4だけ作られていない。平田は本作を除く5作品で吹替翻訳を担当した。
登場人物・キャスト[]
- ルーク・スカイウォーカー:マーク・ハミル
- ハン・ソロ:ハリソン・フォード
- レイア・オーガナ:キャリー・フィッシャー
- ダース・ベイダー:デイヴィッド・プラウズ(演)、ジェームズ・アール・ジョーンズ(声)
- オビ=ワン・ケノービ:アレック・ギネス
- C-3PO:アンソニー・ダニエルズ
- R2-D2:ケニー・ベイカー
- チューバッカ:ピーター・メイヒュー
- グランド・モフ・ウィルハフ・ターキン:ピーター・カッシング
- オーウェン・ラーズ:フィル・ブラウン
- ベル・ホワイトスン:シラー・フレイザー
日本語吹替[]
- 「THE STORY OF THE STAR WARS」(日本語版)(映画本編のダイジェスト版ともいうべきレコード)
- ルーク・スカイウォーカー:神谷明
- ハン・ソロ:羽佐間道夫
- レーア・オーガナ:潘恵子
- ダース・ベイダー:辻村真人
- ベン・ケノービ:納谷悟朗
- グランド・モフ・ターキン:山田康雄
- C-3PO:三橋洋一
- ナレーター:広川太一郎
- 原作:ジョージ・ルーカス
- 音楽:ジョン・ウィリアムス
- 脚本:鏡明/宮崎真由美
- 制作:高和元彦
- 演出:上野修
- 劇場公開版
- ルーク・スカイウォーカー:奥田瑛二
- ハン・ソロ:森本レオ
- レイア・オーガナ:森田理恵
- ダース・ベイダー:南原宏治
- ベン・ケーノビ:河原崎国太郎
- グランド・モフ・ターキン:北村弘一
- C-3PO:高山栄
- オーウェン・ラーズ:塩見竜介
- ベル・ラーズ:藤夏子
- グリード(エイリアン):千葉繁
- モッティ提督:青野武
- ドドンナ将軍:青野武
- ガーヴェン・ドレイス(将校3):玄田哲章
- ビッグズ・ダークライター(隊員1):屋良有作
- ウェッジ・アンティリーズ(隊員2):千葉繁
- 隊員3:小滝進
- 隊員4:宮村義人
- 反乱軍将校:稲葉実
- チーフ・パイロット:沢木郁也
- オフィサー:小林通孝
- 指揮官:宮村義人
- 基地の声:宮村義人
- コマンダー1:千田光男
- コマンダー2:鈴木慎
- 兵1:宮村義人
- 監修:ジョージ・ルーカス
- 演出:原田眞人
- 台本:宇津木道子
- 調整:兼子芳博
- スタジオ:新坂スタジオ
- 担当:ザック・プロモーション
- 1983年10月5日(水)日本テレビ「水曜ロードショー」
- ルーク・スカイウォーカー:渡辺徹
- ハン・ソロ:松崎しげる
- レイア・オーガナ:大場久美子
- ダース・ベイダー:鈴木瑞穂
- ベン・ケーノビ:久米明
- グランド・モフ・ターキン:川辺久造
- C-3PO:野沢那智
- ベルー・ラーズ:本山可久子
- ドドンナ将軍:大木民夫
- ビッグス・ダークライター:池田勝
- ウェッジ・アンティリーズ:安原義人
- 通信の声:渡部猛
- 演出:田島荘三
- 翻訳:大野隆一
- 1985年10月11日(金)日本テレビ「金曜ロードショー」
- ルーク・スカイウォーカー:水島裕
- ハン・ソロ:村井国夫
- レイア・オーガナ:島本須美
- ダース・ベイダー:坂口芳貞
- ベン・ケーノビ:滝田裕介
- グランド・モフ・ターキン:川辺久造
- C-3PO:野沢那智
- オーウェン・ラーズ:宮川洋一
- ベルー・ラーズ:中西妙子
- ナレーター:城達也
- 演出:蕨南勝之
- 翻訳:大野隆一
- ビデオ・DVD版
- ルーク・スカイウォーカー:島田敏
- ハン・ソロ:磯部勉
- レイア・オーガナ:高島雅羅
- ダース・ベイダー:大平透
- ベン・ケーノビ:納谷悟朗
- グランド・モフ・ターキン:大木民夫
- C-3PO:野沢那智
- オーウェン・ラーズ:村松康雄
- ベルー・ラーズ:斎藤昌
- モッティ提督:池田勝
- ドドンナ将軍:北村弘一
- ビッグス・ダークライター:池田勝
- デイン・ジャー中佐:城山知馨夫
- ポール・トレイダム中尉:沢木郁也
- ストーム・トルーパー:島香裕
- ドクター・エヴァザン:広瀬正志
- ジェック・ポーキンス中尉:広瀬正志
- その他:岡部政明、小島敏彦、田原アルノ、大山高男、小室正幸、津田英三、古田信幸、星野充昭
- 演出:伊達康将
- 翻訳:岡田荘平
- 調整:飯村康雄
- 日本テレビ「金曜ロードショー」(特別篇)
※製作順
トリビア[]
テンプレート:雑多な内容の箇条書き
- スター・ウォーズの舞台は地球とはまったく関係のない遥か遠くの銀河系だが、劇中のトラクター・ビーム制御装置にアルファベットが表記してあった("POWER"と"TRACTOR BEAM")。その後、旧三部作がDVD発売時に再編集された時にオーラベッシュ(Aurabesh、スター・ウォーズ世界のアルファベット)に差し替えられた。デス・スター攻撃シーンにおいても、反乱軍戦闘機部隊の照準装置に目標までの距離がアラビア数字で表示されていたが、観客にカウントが読めないと緊迫感が伝わらないため、敢えてこの部分は修正されずにそのまま使われている。
- C-3POとR2-D2が待機したデス・スターの管制室にストーム・トルーパーが押し行ってくる際に、入り口のドアに頭をぶつける者(DVD版ではさらに音が強調)がいる。このシーンから裏設定が追加され、「スター・ウォーズ エピソード2」にも賞金稼ぎのジャンゴ・フェットが自身の宇宙船に乗り込む際に頭をぶつけるシーンがある。
- 小説版にも存在する、ルークが冒頭の宇宙戦を地上から観察する場面があるが、この場面は元々「映画が始まってから20分もの間主人公が不在なのはおかしい」という当時の考えからとりあえず撮影だけはされたものの、編集段階でカットされている。なお、この場面では本編では一切使用することの無かったチューリップハット調の帽子を被ったルークを見ることが出来る(この帽子を被ったルークのシーンは、日本公開時のパンフレットにモノクロのスチル写真として掲載されていた)。
- 日本公開時、本作の配給会社である20世紀FOX社の重役、アラン・ラッド・ジュニアは来日して日本の劇場を訪れたが、上映中と上映終了後、場内のあまりの静けさに深く落胆した。本国アメリカではスターウォーズに限らず、映画館で映画が面白ければ拍手と歓声、口笛等で賞賛し、つまらなければブーイングを浴びせることも珍しくなかったため、今まで味わったことのない沈黙の反応に言い知れぬ不安を覚えたという。直後に日本人は映画館で騒がないし、静かにじっと鑑賞する事が彼らの賞賛の形だと聞き、ほっと胸をなでおろした。
- 劇中の撮影用のミニチュア(プロップ)の表面のディテールはプラモデルの部品を張り付けている。これは一々、彫刻するのが面倒だからである。当時、アメリカで高評価だったタミヤ、ハセガワ、バンダイなどの日本製のプラモが多用されている[5]。これは当時のアメリカSF映画では広く普及していた手法である。プロップの完全再現を目指すモデラーの中には各種資料を元に実際に使われた流用パーツを特定して製作する者がいる[6]。
- ファルコン号の床下に隠れたルーク、ソロ、オビ=ワンが忍び出て来るシーンの音楽には一瞬『サイコ』が引用されている。本作の作曲者ジョン・ウィリアムズは1975年末に死去したバーナード・ハーマンの友人であり、ハーマンの遺作となった前年公開の『タクシードライバー』の編集にはルーカスの妻マーシャも参加していた。
- 岐阜県高山市に有る「留之助商店」(オーナーはSFX著書で有名な中子真治)にて、カンティーナの酒場で登場するエイリアン「フェルティパン・トレヴァッグ」の実物マスクが展示されている。 なお、ルーカスフィルム関連の小道具が流出するのは非常に稀である。
コンピュータ・アニメーションとの関わり[]
ルーカスが「未完成」と語った技術の限界から映像化を断念せざるを得なかったシーンは20年後『特別篇』でデジタル・アニメーションを駆使して作り直され、エピソード1~3は背景もキャラクターも多くがCGで作られたほどだが、本シリーズは最初からCGIと関わりがあった。
レイア姫からR2-D2に託されたデス・スター設計図が分析された後、反攻作戦の説明シーンで画面に表れる映像は手描きの動画ではなく1977年当時のコンピュータ・グラフィックス。モニター画面をコマ撮りカメラで撮影し、フィルム投射された。ジョージ・ルーカスのUSCの後輩ダン・オバノンが監修。ソフトウェア開発はトーマス・デファンティ、プログラミングはラリー・キューバによる。
CG研究の第一人者とされるジョン・ホイットニーJr.とキューバの二人は完成上映後にXウィングの飛行映像をCGで製作し、ルーカスにプレゼンテーションを行った。『帝国の逆襲』には不採用だったもののルーカスもCGに将来性を見出し、ほどなくILMにCG研究部門が新設された。『ジェダイの帰還』でやはり3DCGによる作戦図を製作したトム・ダフ、ウィリアム・リーヴスを含むこのチームはピクサーの母体となる。[7]
特別篇及びDVD版での修正・変更点[]
- 劣化・褪色していたネガフィルムを物理的に洗浄し3年かけて修復。DVD版ではローリー・デジタルイメージ社によりフィルムのデジタル化が行われ、キズとホコリを徹底除去。画質の向上が図られた。その際1977年公開時に作成された褪色の無いテクニカラープリントが参照された。
- 実写で撮影されたオープニング・スクロールは「エピソード1」のシステムを使い、CGで作り直された。
- ロボットやエイリアンなど多くのCGキャラクターが追加された。モス・アイズリーは俯瞰で映り、酒場のシーンはリック・ベイカーがマスク造形を行ったエイリアン達がCGキャラクターに置き換えられたシーンがある。ソロが射殺する賞金稼ぎのグリードも1977年版では問答無用で撃たれていたが、ソロがグリードの射撃を避けて撃ち返すよう変更された。
- ストーム・トルーパーの小隊をタトゥイーンに降ろしたシャトルが追加され、トカゲ型の生物デューバックが歩く。頭部が殆ど動かない大型ぬいぐるみを使用していた1977年版から鳴き声を上げるまでに作り直された。
- 撮影されながら1977年版で不採用だったジャバ・ザ・ハットとハン・ソロのシーンが復活。CGのジャバが製作された。劇場公開=レーザーディスク版、DVD版の2ヴァージョンが作られている。また取り巻きの中にボバ・フェットが合成で加えられている。
- 戦闘機も各種CGで製作された。軌道がより大胆になり模型撮影では困難だった乗員の動きも細かく付けられている。デス・スター攻撃部隊の脱出は1977年版でも数回撮り直されていたが、さらに速度を上げ緊急離脱の状況を際立たせている。
- レンズにワセリンを塗って車輪を隠したスピーダーを含め、不完全のままだった光学合成がデジタル合成でやり直された。
- 惑星オルデランとデス・スターの爆発四散シーンでは大規模な爆発で見られる衝撃波を模して、横ないし縦にドーナツ状に広がる光輪が追加された。
- 音楽と音響効果もCEDAR社のシステムを使用しノイズ低減処理が行われた。一部の効果音と台詞はそれまでリリースされた劇場プリント、ビデオ版で脱落していた要素も有り、バラつきを無くすべく編集もやり直され、5.1サラウンド化されている。本作と関連の深い20世紀フォックス映画のファンファーレはサラウンド化するために1977年版ではなく『帰らざる河』用の4トラックマスターから収録された。
- 全体の尺は特別篇スタッフの追加クレジットも含め4分増加。特別篇で作られたデス・スターの光輪やモス・アイズリーの俯瞰は『ジェダイの帰還』のフィナーレに、CGのジャバは『ファントム・メナス』にも登場するなど、デジタル時代に行われた改良はスター・ウォーズの世界観をより濃いものにしている[8]。
- 一方で、デス・スター内でストーム・トルーパーを雄叫びを上げ追って行ったハン・ソロがCGで増やされた大軍団に出くわすなど、笑いを呼ぶアイディアが採用された例もある。
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脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 “Star Wars (1977)” (英語). Box Office Mojo. 2010年4月2日閲覧。
- ↑ ただし、ルーカスが「スター・ウォーズ」の企画を始めたのは『アメリカン・グラフティ』の完成直後の1973年4月であり、映画会社側から「失敗作」と思われていた『アメリカン・グラフティ』が公開されて「大成功」したのは1973年8月1日からである。ゲリー・ジェンキンス『ルーカス帝国の興亡』扶桑社より。
- ↑ [1]
- ↑ [2]
- ↑ 猪俣謙次,加藤智『ガンプラ開発真話』メディアワークス
- ↑ モデルグラフィックス連載企画「考古学的SWモデリング」など。
- ↑ 「特別篇」の公開後、ピクサー社は2001年にエピソード4のクライマックスをパロディに、TIEファイターに追われるXウィングがデス・スター調のTHXロゴを攻撃するというTHXトレイラー(予告篇)を製作した。スカイウォーカー・サウンドによってシリーズでお馴染みの音響効果も付けられている。現在THX公式サイトでは観る事が出来ない。
- ↑ エピソード4 - 6の特別篇全体にかけられた予算は、エピソード4一作の制作費を上回った。
外部リンク[]
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